WordPressサイトが重い原因と改善方法|表示速度を測定して対策する手順

WordPressサイトが重い原因と改善方法を表すパソコンとスマートフォンのイラスト

WordPressサイトの表示が遅いと感じても、原因を調べずにプラグインを削除したり、レンタルサーバーを変更したりする必要はありません。

サイトが重くなる原因は、画像の容量、プラグインの処理、キャッシュ設定、サーバーの応答などさまざまです。この記事では、表示速度の測定方法から、原因別の改善手順、設定変更時の注意点まで解説します。

まずは無料でできる診断から始め、問題が見つかった部分だけを改善していきましょう。

 

目次

WordPressサイトが重いときの症状別チェック表

表示が遅い場所やタイミングによって、最初に確認すべき項目は異なります。

症状 考えられる原因 最初に確認すること
画像がなかなか表示されない 画像容量・配信設定 画像サイズと読み込み状況
ページを開くまでの待ち時間が長い サーバー応答・キャッシュ TTFBとキャッシュ設定
スマホだけ表示が遅い 大きな画像・JavaScript・描画処理 モバイルの速度測定結果
管理画面の操作が遅い プラグイン・データベース・サーバー処理 サイトヘルスとサーバー情報
プラグイン追加後に遅くなった 追加された処理や競合 変更履歴と検証環境での比較
アクセス集中時だけ遅い サーバー負荷・キャッシュ不足 アクセス数とサーバー負荷の推移

この表は原因を確定するものではありません。同じ症状でも複数の要因が重なっていることがあります。

設定を変更する前に、WordPressのファイルとデータベースのバックアップを取得してください。特にキャッシュ設定やプラグインの停止は、ログイン機能、フォーム、広告表示などへ影響する場合があります。

 

WordPressの表示速度を無料で測定する方法

改善前に現在の状態を記録すると、変更後に効果があったか判断できます。

 

PageSpeed Insightsでページを測定する

Googleが提供するPageSpeed Insightsでは、URLを入力してページのパフォーマンスを確認できます。

  1. PageSpeed Insightsを開きます。
  2. 測定したいWordPress記事やトップページのURLを入力します。
  3. 「分析」を実行します。
  4. モバイルとデスクトップの結果を確認します。
  5. 指摘された問題と測定値を記録します。

トップページだけでなく、画像の多い記事や広告を掲載している記事など、構成が異なるページも測定してください。

PageSpeed Insightsには、利用者の実際の閲覧状況に基づくフィールドデータ(実利用環境の測定データ)と、一定の条件で測定するラボデータ(診断用のテストデータ)があります。アクセスが少ないページなどではフィールドデータが表示されない場合もあります。

ラボデータは実行時の条件で変動するため、1回のスコアだけで改善の成否を判断せず、同じURLと条件で複数回比較してください。

 

Core Web Vitalsの主要指標を確認する

Core Web Vitals(Webページのユーザー体験を評価する主要指標)では、次の3項目が重要です。

指標 測定する内容 良好の目安
LCP 主要コンテンツが表示されるまでの時間 2.5秒以下
INP クリックや入力などに対する応答性 200ミリ秒以下
CLS 表示中にレイアウトが予期せず動く程度 0.1以下

これらの良好判定は、原則として実利用データの75パーセンタイル(測定値を小さい順に並べたときの75%地点)を基準とします。

LCPが悪い場合は主要画像やサーバー応答、INPが悪い場合はJavaScriptなどの処理、CLSが悪い場合は画像・広告などの表示領域を確認することが改善の出発点になります。

ただし、各指標は複数の要因に左右されるため、数値だけで原因を確定することはできません。

LCPは主要コンテンツの表示、INPは操作への反応、CLSはレイアウトのずれを示す図

 

画像が原因でWordPressが重い場合の改善方法

画像は、容量や表示方法によってページの読み込み時間に影響します。特に記事内に大きな写真を多数掲載している場合は、画像の最適化を優先して確認しましょう。

 

表示サイズに合わせて画像を縮小する

画像の実寸が表示領域より大幅に大きい場合、必要以上のデータを読み込んでいる可能性があります。

まず、記事に表示される幅と実際に配信されている画像のサイズを比較してください。WordPressが生成するサムネイルやレスポンシブ画像(画面幅に応じて適切な画像を選択する仕組み)が利用されているかも確認します。

画像を小さくしすぎると高解像度画面でぼやけるため、実際の表示品質を確認しながら調整してください。

 

WebPやAVIFなどの画像形式を検討する

WebPやAVIFは、画像の内容や圧縮設定によって、JPEGやPNGよりファイルサイズを小さくできる場合があります。

ただし、必ず容量が減るわけではありません。元画像と変換後の画像を比較し、画質と容量のバランスを確認してください。

既存画像を一括変換する場合は、元画像を保存し、記事内表示・サムネイル・SNS共有画像などに問題がないか確認してから適用しましょう。

 

画像の遅延読み込みを確認する

Lazy Loading(画面に近づいた画像などを必要に応じて読み込む仕組み)は、画面外の画像の読み込み負荷を抑える方法です。

ただし、ページを開いた直後に表示される重要な画像まで遅延読み込みすると、LCPが悪化する場合があります。

アイキャッチ画像や記事冒頭の大きな画像がLCPの対象になっている場合は、遅延読み込みの対象になっていないか確認してください。

 

プラグインが原因で重い場合の調べ方

WordPressのプラグインは便利ですが、追加する機能によってサーバー処理やブラウザー側の読み込みが増える場合があります。

重要なのは、プラグインの個数だけではなく、実際にどのような処理が発生しているかです。

 

最近追加・更新したプラグインを確認する

表示速度が悪化した時期と、プラグインの追加・更新時期を照合してください。

  1. 改善前の速度と発生している症状を記録します。
  2. プラグインの追加・更新履歴を確認します。
  3. 可能であればステージング環境(公開サイトと分離した検証環境)を用意します。
  4. 疑わしいプラグインを検証環境で一つずつ停止します。
  5. 停止前後の速度と機能の動作を比較します。

プラグイン停止によって速度が改善した場合でも、関連する設定や他のプラグインとの競合が原因である可能性があります。

決済、会員管理、セキュリティ、バックアップなどの重要機能は、本番環境で安易に停止しないでください。

 

JavaScriptやCSSの読み込みを確認する

JavaScript(Webページの動作を制御するプログラム)やCSS(見た目を指定するスタイル情報)が大量に読み込まれると、描画や操作への応答に影響することがあります。

Chromeなどの開発者ツールで「Network」や「Performance」を確認すると、読み込みに時間がかかっているファイルや処理を調べられます。

ただし、ファイルの圧縮・結合・遅延実行を無条件に有効化することは推奨しません。メニュー、検索、広告、フォームなどの動作が変わる場合があるためです。

 

キャッシュを使ってWordPressの表示速度を改善する

キャッシュ(一度生成したデータなどを保存して再利用する仕組み)は、WordPressの処理負荷を減らすための代表的な方法です。

WordPress公式のキャッシュ解説でも、ページキャッシュ、ブラウザーキャッシュ、オブジェクトキャッシュなどが説明されています。

 

ページキャッシュの利用状況を確認する

ページキャッシュは、生成済みのHTMLを再利用し、ページを表示するたびにWordPressの処理を繰り返す負荷を減らす仕組みです。

最初に、レンタルサーバーの管理画面や利用中のキャッシュプラグインで、既にキャッシュ機能が有効になっているか確認してください。

サーバーとプラグインの両方でキャッシュが有効な場合、設定によっては更新内容が反映されないなどの問題が起こることがあります。

既存のキャッシュ構成を把握してから設定を変更しましょう。

 

ログイン状態や動的ページに注意する

会員ページ、ショッピングカート、決済画面など、利用者ごとに内容が変わるページではキャッシュの扱いに注意が必要です。

不適切な設定では、古い情報が表示されたり、利用者固有の内容が意図せず共有されたりする危険があります。

キャッシュ設定後は、ログイン時とログアウト時の表示、フォーム送信、記事更新後の反映を確認してください。

 

オブジェクトキャッシュが必要か判断する

オブジェクトキャッシュは、データベースなどから取得した情報を再利用する仕組みです。

Redisなどを利用する永続オブジェクトキャッシュは、対応するサーバー環境で利用できますが、すべてのサイトに必要なわけではありません。

サーバーの対応状況と実際の負荷を確認し、必要な場合に導入を検討してください。

ブラウザーキャッシュ、ページキャッシュ、オブジェクトキャッシュの役割を示す図

 

サーバーの応答が遅い場合の改善方法

画像やプラグインを改善してもページの読み込み開始まで時間がかかる場合は、サーバー側の処理を調べる必要があります。

 

TTFBを確認する

TTFB(リクエストを送ってから最初の応答データを受け取るまでの時間)は、サーバー応答の遅さを調べる際の指標です。

ただし、TTFBにはネットワークや接続処理なども影響するため、TTFBが遅いことだけでレンタルサーバーの性能不足と断定することはできません。

キャッシュの有無、アクセス集中、サーバーの処理状況などを併せて確認してください。

 

PHPのバージョンとサイトヘルスを確認する

WordPress管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」では、サーバー環境や推奨される改善項目を確認できます。

PHP(WordPressを動かすサーバー側のプログラミング言語)のバージョンが古い場合、性能面だけでなくセキュリティ面にも影響することがあります。

ただし、PHPを更新すると、古いテーマやプラグインが正常に動作しなくなる場合があります。事前に互換性を確認し、バックアップと復旧手段を用意してください。

サイトヘルスの詳しい確認方法は、WordPressサイトヘルスの改善方法も参考になります。

 

レンタルサーバーの変更は最後に検討する

サーバーの処理能力が継続的に不足している場合、プラン変更やサーバー移行が有効な選択肢になることがあります。

ただし、プラグインの重い処理や画像の読み込みが主な原因なら、サーバーを変更しても問題が十分に改善しない可能性があります。

移行前には、CPU・メモリ使用状況、アクセス集中時の挙動、PHPの実行環境、キャッシュ対応状況などを確認してください。

 

スマホだけWordPressサイトが重い場合の対処

パソコンでは快適でもスマートフォンでは遅い場合、画面幅や端末性能、通信環境、読み込む画像・スクリプトの違いが影響している可能性があります。

まずPageSpeed Insightsのモバイル結果を確認し、次に実機でも表示と操作を確認してください。

  • モバイルで不要な大きな画像を配信していないか
  • 画面外のコンテンツを過剰に読み込んでいないか
  • JavaScriptの処理が操作を妨げていないか
  • 広告や埋め込みコンテンツが表示を遅らせていないか
  • 画像や広告の表示領域が確保されているか

特に広告や埋め込み要素は、読み込みタイミングによってレイアウトが動く場合があります。表示領域の確保や読み込み方法を確認してください。

 

データベースの負荷が高い場合に確認すること

WordPressでは記事、設定、ユーザー情報などがデータベースに保存されています。

大量のデータや非効率な問い合わせがある場合、ページ生成や管理画面の動作が遅くなることがあります。

ただし、記事数やリビジョン(記事の過去の編集履歴)が多いことだけで、速度低下の原因と断定することはできません。

まずサーバーの負荷状況や、サイトヘルスで指摘されている項目を確認してください。

データベースの最適化を行う場合は、事前に復元可能なバックアップを取得し、削除対象のデータを把握する必要があります。

設定値やデータベースの行を、原因が不明なまま直接削除することは避けてください。

 

WordPressの高速化はどの順番で進めるべき?

効率よく改善するには、費用をかける前に測定と原因の切り分けを行うことが大切です。

優先順 作業 判断のポイント
1 表示速度を測定する 遅いページ・端末・指標を特定する
2 画像の配信状況を確認する 容量や表示サイズが過大でないか
3 プラグインの処理を調べる 追加・更新前後で変化がないか
4 キャッシュ設定を確認する 未設定・重複・除外設定に問題がないか
5 サーバーとデータベースを調べる 応答遅延や処理負荷が継続しているか
6 プラン変更・サーバー移行を検討する 既存環境の限界が根拠をもって確認できるか

これは一般的な調査順序です。実際の測定で特定の問題が明確になっている場合は、その問題を優先してください。

改善作業は一度にまとめて行わず、一つずつ変更して速度と機能を確認することで、効果や不具合の原因を追跡しやすくなります。

WordPressの速度を測定し原因を特定して改善後に再測定する4段階の流れ

 

WordPressの表示速度に関するよくある疑問

プラグインを減らせば必ず速くなりますか?

必ず速くなるわけではありません。処理負荷が高いプラグインを停止すれば改善する可能性がありますが、単にインストール数を減らしても効果が小さい場合があります。実際の処理内容と測定結果を確認してください。

 

PageSpeed Insightsのスコアは100点を目指すべきですか?

100点を取ること自体を最優先にする必要はありません。スコアは診断の参考情報であり、実際のユーザー体験やCore Web Vitalsの状態も重要です。必要な機能を削ってまでスコアだけを追求しないようにしましょう。

 

キャッシュプラグインは複数入れたほうが速くなりますか?

複数導入すれば速くなるとは限りません。機能が重複すると、キャッシュ更新や設定管理が複雑になる場合があります。既存のサーバー機能を確認し、役割が重複しない構成を検討してください。

 

レンタルサーバーを変更すれば解決しますか?

サーバー性能が原因なら改善する可能性があります。しかし、画像やJavaScriptなどブラウザー側の問題は、サーバー変更だけでは解決しない場合があります。移行前にボトルネック(処理全体の速度を制限している部分)を特定してください。

 

まとめ|WordPressが重いときは測定から改善を始めよう

WordPressサイトが重い場合、最初に行うべきことは原因の特定です。

PageSpeed Insightsで遅いページと指標を確認し、画像、プラグイン、キャッシュ、サーバーなどを順番に調べてください。

設定変更前にはバックアップを取得し、変更後は速度だけでなく、記事表示・広告・フォームなどの動作も確認しましょう。

無料でできる改善を試したうえで、サーバーの処理能力が不足していると判断できた場合に、プラン変更や移行を検討するのが合理的です。

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