
WordPressでサイトを運営していると、「アップデート前にバックアップしてください」と案内されることがあります。しかし、初めてバックアップを取る場合は、何を保存すれば元のサイトへ戻せるのか分かりにくいのではないでしょうか。
WordPressサイトを丸ごと復旧できる状態にするには、基本的に「ファイル」と「データベース」の両方をバックアップします。どちらか一方だけでは、元の状態を完全に再現できない場合があります。
この記事では、WordPress公式ドキュメントの情報を基に、バックアップの仕組み、初心者向けの取り方、手動バックアップ、自動化、保存先、頻度、復元前の注意点まで順番に解説します。
- 1 WordPressのバックアップとは?
- 2 WordPressのバックアップが必要なタイミング
- 3 WordPressで保存すべきデータは「ファイル」と「データベース」
- 4 初心者向けのWordPressバックアップ方法
- 5 WordPressのファイルを手動でバックアップする方法
- 6 WordPressのデータベースをバックアップする方法
- 7 WordPressのバックアップを自動化する方法
- 8 WordPressバックアップの保存先は分散させる
- 9 WordPressのバックアップ頻度は更新頻度で決める
- 10 バックアップからWordPressを復元するときの注意点
- 11 WordPressをアップデートする前に確認すること
- 12 WordPressバックアップでよくある質問
- 13 まとめ|WordPressはファイルとデータベースの両方をバックアップする
WordPressのバックアップとは?
WordPressのバックアップとは、サイトにトラブルが発生したときに以前の状態へ戻せるよう、必要なデータのコピーを別の場所へ保存しておくことです。
WordPress公式ドキュメントでは、WordPressサイトのバックアップを大きく「Database(データベース)」と「Files(ファイル)」の2つに分けています。一般的なWordPressサイトを完全に復元するには、両方が必要です。
| バックアップ対象 | 主な内容 |
|---|---|
| ファイル | テーマ、プラグイン、画像などのアップロードファイル、WordPress本体、wp-config.php、.htaccessなど |
| データベース | 投稿、固定ページ、コメント、各種設定など、データベースへ保存されている情報 |
「WordPressのフォルダをパソコンへコピーすればバックアップ完了」と考えてしまいやすいのですが、通常、データベースはWordPressのディレクトリとは別のデータベースシステム(MySQL/MariaDBなど)に保存されています。
そのため、ファイルをダウンロードしただけではデータベースのバックアップにはなりません。

WordPressのバックアップが必要なタイミング
定期的なバックアップに加えて、サイトへ大きな変更を加える前にもバックアップを取っておくことが重要です。
特に、次のようなタイミングでは事前バックアップをおすすめします。
- WordPress本体を更新する前
- テーマを更新・変更する前
- プラグインを更新する前
- PHPのバージョンを変更する前
- サイトのコードや設定を大きく変更する前
- サーバーやドメインを移行するとき
- データベースを直接編集するとき
WordPress公式の更新ドキュメントでも、WordPressをアップデートする前にサイトをバックアップすることが案内されています。また、プラグインの更新についても、現在のバックアップがあることを確認してから更新するよう案内されています。
テーマを新しく導入したり変更したりする場合も、既存サイトならバックアップを用意してから作業すると安全です。テーマの基本的な導入方法については、WordPressの外観テーマをインストールする手順も参考にしてください。
WordPressで保存すべきデータは「ファイル」と「データベース」
ファイルのバックアップ
WordPressのファイルには、サイトを構成するプログラムや画像などが含まれています。
主なバックアップ対象は次のとおりです。
- WordPress本体のファイル
- wp-contentフォルダ
- テーマ
- プラグイン
- アップロードした画像・ファイル
- wp-config.php
- .htaccess
- 独自に追加したPHP・JavaScriptなどのファイル
特に重要なのが「wp-content」と「wp-config.php」です。
wp-contentにはテーマ、プラグイン、アップロードした画像などサイト固有のデータが含まれます。wp-config.phpにはデータベースへの接続情報をはじめ、WordPressの動作に関係する設定が含まれています。
データベースのバックアップ
WordPressでは、投稿や固定ページなどの多くの情報がデータベースへ保存されています。
代表的な内容は次のとおりです。
- 投稿
- 固定ページ
- コメント
- カテゴリーやタグなどの情報
- WordPressの各種設定
- テーマやプラグインがデータベースへ保存した設定・データ
データベースは、phpMyAdmin(WebブラウザからMySQL/MariaDBなどを操作する管理ツール)などからSQL形式でエクスポートできます。
WordPress公式ドキュメントでも、データベースのみのバックアップではテーマ、プラグイン、アップロードファイル、wp-config.phpなどのWordPressファイルは保存されないと明記されています。
つまり、サイト全体を復旧できるバックアップを作るなら、「ファイル+データベース」を1セットとして管理するのが基本です。
初心者向けのWordPressバックアップ方法
WordPressのバックアップ方法は、大きく分けると次の3つがあります。
| 方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| レンタルサーバーのバックアップ機能 | サーバー側の機能を利用でき、契約サービスによって自動バックアップや復元に対応 | 初心者 |
| バックアッププラグイン | WordPress管理画面からバックアップを自動化しやすい | 初心者~中級者 |
| 手動バックアップ | ファイルとデータベースを自分で保存する | 仕組みを理解して管理したい人 |
初心者の場合、まず契約中のレンタルサーバーにバックアップ機能があるか確認してください。そのうえで、必要に応じてバックアッププラグインや手動バックアップを組み合わせる方法があります。
サーバーによってバックアップの保存期間、対象データ、復元方法、料金などは異なります。「自動バックアップがあるから大丈夫」と判断するのではなく、何が保存され、どの時点まで戻せるのかを契約中のサーバーの公式情報で確認することが重要です。

WordPressのファイルを手動でバックアップする方法
手動でファイルをバックアップする場合は、レンタルサーバーのファイルマネージャーやSFTP/FTPクライアントなどを利用して、WordPressのファイルをパソコンなどへ保存します。
基本的な流れは次のとおりです。
- レンタルサーバーへログインする
- ファイルマネージャーまたはSFTP/FTPでWordPressの設置先を開く
- WordPressのファイルを確認する
- 必要なファイル・フォルダをダウンロードする
- バックアップ日時が分かる名前で保存する
- 正常に保存できたことを確認する
WordPress公式の日本語ドキュメントでは、WordPressディレクトリ以下のファイルをバックアップする方法が案内されており、特にwp-contentとwp-config.phpのバックアップへ注意するよう説明されています。
ただし、WordPress本体のファイルを保存しただけではデータベースは保存されません。続けてデータベースもバックアップしてください。
WordPressのデータベースをバックアップする方法
データベースを手動でバックアップする代表的な方法が、phpMyAdminからのエクスポートです。
WordPress公式ドキュメントで案内されている基本的な流れは次のとおりです。
- サーバーからphpMyAdminへログインする
- WordPressで使用しているデータベースを選択する
- 「エクスポート」を選択する
- 必要なテーブルを確認する
- SQL形式でエクスポートする
- 生成されたバックアップファイルを安全な場所へ保存する
phpMyAdminの画面やメニュー名は、利用しているサーバーやphpMyAdminのバージョンなどによって異なる場合があります。
また、複数のデータベースを利用している場合は、対象WordPressが使用しているデータベースを間違えないことが重要です。データベース名はwp-config.phpの設定から確認できますが、設定ファイルを編集する必要がない場合は不用意に変更しないでください。
ファイルとデータベースを手動で保存するときは、できるだけ近いタイミングで取得し、同じ日時のバックアップとして管理すると復元時に分かりやすくなります。

WordPressのバックアップを自動化する方法
毎回手動でバックアップするのが難しい場合は、レンタルサーバーの自動バックアップ機能やWordPressのバックアッププラグインを利用すると管理しやすくなります。
WordPress公式ドキュメントでも、データベースとファイルの自動バックアップに利用できるプラグインが存在することが案内されています。
自動化する場合は、単に「自動バックアップをONにする」だけではなく、次の項目を確認してください。
- ファイルとデータベースの両方が対象になっているか
- バックアップの実行頻度
- 保存先
- 保存世代数
- 古いバックアップの削除条件
- 復元方法
- バックアップ失敗時の確認方法
自動バックアップは便利ですが、設定ミスや容量不足などによって期待どおり保存されていない可能性もあります。定期的にバックアップ履歴を確認し、必要なデータが実際に作成されていることを確認してください。
WordPressバックアップの保存先は分散させる
バックアップは、元サイトと同じサーバーだけに保存するより、別の保存先にもコピーを持つほうが安全です。
たとえば、サーバーそのものへアクセスできなくなった場合、同じサーバー内にしかバックアップがなければ、そのバックアップにもアクセスできない可能性があります。
保存先としては、次のような選択肢があります。
- レンタルサーバー内
- 自分のパソコン
- 外付けストレージ
- 信頼できるクラウドストレージ
- バックアップサービスが対応する外部保存先
重要なのは「特定の1か所だけに依存しない」ことです。
また、バックアップにはwp-config.phpなど機密性の高い情報が含まれる場合があります。外部へ保存するときは、保存先のアクセス権限やアカウントのセキュリティにも注意してください。
WordPressのバックアップ頻度は更新頻度で決める
バックアップ頻度に、すべてのWordPressサイトへ共通する唯一の正解があるわけではありません。
基本的には、「失っても許容できる更新期間」を基準に考えます。
| サイトの更新状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| ほとんど更新しないサイト | 定期バックアップ+変更作業前 |
| 週に数回更新するブログ | 更新量に合わせて週次~日次を検討 |
| 毎日更新するサイト | 日次など短い間隔を検討 |
| 更新頻度が非常に高いサイト | 失えるデータ量を基準に、より短い間隔やリアルタイム系のバックアップサービスを検討 |
たとえば毎日記事を更新するサイトで1週間に1回しかデータベースを保存していなければ、トラブルの発生時点によっては直近数日分の変更を失う可能性があります。
一方、ほとんど更新しないサイトで必要以上に大量のバックアップを作り続けると、保存容量を圧迫することがあります。
更新頻度と重要度に合わせて、適切な間隔と保存世代数を設定してください。
バックアップからWordPressを復元するときの注意点
バックアップは「取ること」だけでなく、必要なときに正しく復元できることが重要です。
復元すると、基本的にはバックアップを取得した時点の状態へ戻ります。そのため、バックアップ取得後に追加した記事や設定変更などが失われる可能性があります。
復元前には、少なくとも次の点を確認してください。
- どの日時のバックアップなのか
- ファイルとデータベースが揃っているか
- 復元によって失われる更新データがないか
- 現在の状態も必要に応じて退避したか
- 対象サイト・対象データベースを間違えていないか
- 復元後に表示や管理画面を確認できるか
データベースをバックアップから復元すると、データベースの内容はバックアップ時点へ戻ります。WordPress公式ドキュメントでは、phpMyAdminの「インポート」からSQL形式のバックアップを読み込む方法などが案内されています。
ただし、復元方法はバックアップを取得した方法によって異なります。レンタルサーバーのバックアップ、プラグイン、手動バックアップでは手順が異なるため、バックアップを取った段階で復元方法まで確認しておくと安心です。
実際にWordPressの表示が崩れた場合の原因確認については、WordPressの画面表示がおかしくなったときの原因とバックアップ復元方法も参考にしてください。
サイドバーなどレイアウトが崩れた場合には、WordPressでサイドバーがメインコンテンツ下へズレたときの対処法でも復元を含めた対処方法を解説しています。
WordPressをアップデートする前に確認すること
WordPress本体、テーマ、プラグインなどを更新する前は、現在のバックアップが正常に取得できているか確認してください。
WordPress公式ドキュメントでも、WordPress本体やプラグインの更新前にバックアップを用意することが推奨されています。
更新前は次の順番で確認すると分かりやすいでしょう。
- 最新のバックアップがあるか確認する
- ファイルとデータベースが保存されているか確認する
- バックアップの保存日時を確認する
- 復元方法を確認する
- 必要に応じて現在のサイト状態を記録する
- WordPress・テーマ・プラグインなどを更新する
- 更新後に主要ページと管理画面の動作を確認する
「自動バックアップが設定されている」という事実だけでなく、実際に直近のバックアップが存在するかを確認してから更新するのがポイントです。

WordPressバックアップでよくある質問
WordPressはファイルだけバックアップすれば復元できますか?
一般的なWordPressサイトでは不十分です。WordPressはファイルとデータベースで構成されているため、サイト全体を復元できる状態にするには基本的に両方をバックアップします。
WordPressのエクスポート機能だけでバックアップできますか?
サイト全体の完全なバックアップとして考えるのは適切ではありません。完全な復旧を目的とする場合は、ファイルとデータベースのバックアップを用意してください。
バックアップはWordPressと同じサーバーだけでも大丈夫ですか?
同じサーバー内だけに保存すると、サーバーへアクセスできないトラブルが起きたときにバックアップも利用できない可能性があります。重要なサイトでは、パソコンや対応する外部ストレージなど、別の場所にもコピーを持つことを検討してください。
WordPressの更新前には毎回バックアップが必要ですか?
更新前には現在のバックアップを確認することをおすすめします。WordPress公式ドキュメントでも、WordPress本体やプラグインなどの更新前にバックアップを用意するよう案内されています。
自動バックアップを設定すれば確認しなくても大丈夫ですか?
いいえ。自動化していても、バックアップが正常に作成されているか定期的に確認してください。保存容量や設定などの問題によって、想定どおりバックアップできていない可能性があります。
バックアップは何世代残せばよいですか?
一律の正解はありません。サイトの更新頻度、バックアップ容量、どこまで過去へ戻す必要があるかを基準に決めます。直前の1つだけでは、そのバックアップ自体に問題があった場合に戻せないため、複数世代を管理できる構成を検討してください。
まとめ|WordPressはファイルとデータベースの両方をバックアップする
WordPressのバックアップで最も重要なのは、ファイルとデータベースは別物であり、サイト全体の復旧には基本的に両方が必要だと理解することです。
初心者の方は、まず契約中のレンタルサーバーにどのようなバックアップ機能があるか確認してください。そのうえで、必要に応じてバックアッププラグインや手動バックアップを組み合わせると管理しやすくなります。
また、バックアップは作成して終わりではありません。「いつ取得したデータなのか」「どこに保存されているのか」「どうやって復元するのか」を確認できる状態にしておくことが大切です。
WordPress本体・テーマ・プラグインの更新や大きな設定変更を行う前には最新バックアップを確認し、万が一のトラブルからサイトを復旧できる状態で作業しましょう。
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